Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

Read 古句を観る (こくをみる) by 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 166,028 characters · 333 screens

Aozora Bunko

俳諧の非人情的態度の一として見るべきであろう。

春の暮でもいいような気もするが、何度も読返していると、やはり秋の暮にふさわしい。ひとり寐転んで掌を見る男の寂しさが、ひしひしと身に迫るように思われる。

述懐

手のしはを撫居る秋の日なたかな    萬子

という句も目についた。こういう自己の身体を見守るような心持、いとおしむような心持は、秋に起ることが多いようである。少し理窟を附加えれば、人生の秋に遭遇した者の経験しやすい心持なのかも知れぬ。必ずしもいい句というわけでもないが、心持の上に共通する点があるかと思うので、ついでに挙げて置くことにする。

秋たつやきのふの雨を今朝の露    従吾

句としてはむしろ陳腐であろう。古い歌の中にもこんな意味のものがあったかも知れない。ただ何となく棄てがたいような感じがするのは、この句のもとになっている爽涼の気のためであろう。

昨夜雨が降った。あるいは夜と限らずに、昨日一日降った雨でも差支ない。その雨の名残が草葉の露となっている。こういうありふれた光景も、「秋立つ」という自然の推移の上に立って見ると、今までと違った感じを与える。