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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 220,431 characters · 428 screens
と違ってみんな頭にちょんまげがあるんですから、同じまげでも国技館の三階から幕内相撲の土俵入りを見おろすのとは少しばかりわけが違いますが、だから、なかにはまたおのぼりさんのいなか侍も交じっているので、足を踏んだとか踏まないとか、お国なまりをまる出しでたいへんな騒ぎです。
「うぬッ、きさまわスのあスを踏んだなッ、武スを武スとも思わない素町人、その分にはおかんぞッ」
侍のほうではたといおのぼりさんでもとにかく二本差しなんだから、いつものときと同じようにおどし文句が通用すると心得ているのでしょう。しかし、きょうの江戸っ子は同じ江戸っ子でも少しばかり品が違っているので、その啖呵がまた聞いていても溜飲の下がるくらいなのです。
「なにいやがるんでえ。このでこぼこめがッ、おひざもとの産土さまが年に一度のお祭りをするっていうんじゃねえか。村の鎮守さまたあわけが違うぞ。足を踏まれるぐれえのこたあ、あたりめえだ!」
実際またそうなんで、ことに山王さまは将軍家お声がかりのお祭りなんだから、氏子どもの気の強いのはあたりまえなことですが、いってるところへ、ショッワッ、ショッワッ、ショッワッ――という声、不思議なことに、江戸の三社祭りのもみ声となると、必ずまたきまってワッショッワッショッとは聞こえないで、ショッワッ、ショッワッとさかさま