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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 220,431 characters · 428 screens
さっきからいっしょうけんめい考えたんでがすが、それよりほかにゃ行く道がねえんだから、お願いするんですよ」
「じゃ、おめえ、今になっておれにあいそがつきたのか」
「めっそうもねえことおっしゃいますな! ここらがご恩返しのしどころと思うからこそ、命も的にしようって覚悟をしたんです」
「ウッフフ、そうか。じゃ、敬四郎の野郎にでもじゃまされたんだな」
「じゃまどころの段じゃねえんです。いかに上役だからって、あんまりあばたのだんなもくやしいことをするじゃござんせんか」
「どんなまねやりゃがった」
「お尋ねの非人はすぐめっかりましたからね、出すぎたこととも思いましたが、ちっとばかりあっしも里心出して、野郎どもにかまをかけてみたんですよ。するてえと――」
「破牢罪人から酒手をもらって、ふたり分へえれる寝棺を、ゆうべあそこへかつぎ込んだといったろ」
「ええ、そう、そうなんですが、だんなはどこでお調べなすったんですかい」
「ご官医の玄庵先生だよ。こもで運び出すのが定なのに、ぜいたくな棺で運搬したといったのでな、おおかた破牢罪人の野郎が非人どもに金をばらまいて、そんな細工をやりやがったんだろうと、たったいましがた、にらみがついたところさ」