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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(一) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 220,431 characters · 428 screens
せがれの手荷物のことも、よく胸におちてござります。ありがとうござりました。ありがとうござりました」
なぞの手荷物のことすらもわかったごとく、権右衛門夫婦がひれふしましたものでしたから、右門はかたわらの敬四郎を顧みると、さわやかな面持ちでいいました。
「これでてまえの八番てがらは、九分どおりかたづいてござる。知恵をお貸し申すといったのでは失礼にござるが、ついでに卍組残りの三人をもめしとられるよう、てまえがちょっと一しばい書いてしんぜますから、それをご貴殿のてがらになされい」
そして、伝六に立て札を五枚ほど急場にこしらえるよう命じていましたが、ほど経てできあがったのを受け取ると、さらさらと次のごとき文言をその五枚の表に書きつけました。
「諸兄よ、恒藤権右衛門の居どころ判明したり。
明六日夜、五つ下がりに道灌山裏の森まで参集されよ。――卍」
「この五枚を、日本橋とか浅草といったような、人出の個所へすぐさまお立てなすって、夜この時刻に、あの森のあたりにでも張り込んでいたら、十中八、九逐電中の三人をも、ご貴殿のてがらにめしとることができましょうよ」
立て札を手渡しながら敬四郎に注意をしておくと、右門はさらに権右衛門夫妻に言い渡しました。