Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
ちょっと目を放すと、もうこれだからな。今ごろまでも寝ていて、なんですかよ。なんですかよ、ね、ちょっと、聞こえねえんですかい。ね、ちょっとてたら!――」
遠鳴りさせながらおかまいなくやって来て、二代め彦左のごとくにたちまちうるさく始めたのは、あのやかましい男でした。
「起きりゃいいんだ、起きりゃいいんだ。ね、ちょっと!――やりきれねえな、毎朝毎朝これなんだからな。見せる相手もねえのに、ひとり者がおつに気どって寝ていたってもしようがねえじゃござんせんか。起きりゃいいんですよ、起きりゃいいんですよ。たいへんなことになったんだから、早く起きなせえよ」
「…………」
「じれってえな。だれに頼まれてそんなに寝るんでしょうね。ね、ちょっと! たいへんですよ。たいへんですよ。途方もねえことになったんだから、ちょっと起きなせえよ」
声に油をかけながらしきりとやかましく鳴りたてたので、不承不承に起き上がりながらひょいと見ながめると、これはまたどうしたことか、ただやかましく起こしに来たと思いのほかに、あの伝六がじつになんともかとも困りきったといった顔つきで、いいようもなくぶかっこうな手つきをしながら、後生大事と赤ん坊をひとり抱いているのです。