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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
はきものをそろえろ」
ちゅうちょのあろうはずはない。間遠にちらりほらりと、いまだに降りつづけている淡雪を浴びながら、庭先伝いに歩みよると、うち騒ぐ色も見せずに、烱々とまなこを光らしながら、いま一度三つの窯を見比べました。
やはり、色がちがうのです。
目のせいでもない。気のせいでもない。かすかに、ほんのりとにじみ出た色ではあるが、まさしく油光りがしているのです。
いや、そればかりではない。より不審なことは、火口のそのふさぎ方に相違のあることでした。泥斎親子の窯の火口は、当然のごとく表からどろ目張りをもってふさいであるのに、弥七郎の窯の火口は内からふさいであるのです。
せつな!――いぶかしみながらあとにつき従ってきた泥斎のところへ、さえざえとした声が飛びました。
「こぶ泥! びっくりするじゃねえぜ! おいらがどこのだれだか知ってるだろうな」
「はッ、存じておりまする。右門のだんなさまと気がついたればこそ、何をお見破りかと不審に思いまして、おあとについてまいったのでござります」
「ならば、改まって名のるにも及ぶめえ。右門流の眼のさえというな、ざっとこんなもんだ。