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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens

Aozora Bunko

けれどもね、どうしてまたそんなむごい子ども殺しをやったか、肝心かなめのそいつをちっとも白状しねえので、敬大将カンカンになりながら責めにかけているうちに、死んでもいわねえんだと、すごい顔をしながら、ぷつりと舌をかみ切ったというんですよ」

「ふん――」

聞き終わるや同時に、ゆうぜんと立ちながら、シュッシュッと博多のいきな茶献上をしごいていましたが、まことに胸のすくひとりごとでした。

「知恵のねえ男ほど、この世に手数のかかるやつはねえよ。あば敬さんが手を染めたあな(事件)だからな、恥をかかしちゃなるめえと、今までこうしててがらにするのを遠慮していたが、いつまでたっても火責め水責めを改めねえから、おきのどくだが、またこちらにてがらをいただかなくちゃならねえんだ。では、ひとつ生きのいいその知恵を小出しに出かけますかね」

「行くはいいが、どけへ出かけるんです」

「知れたこった。行くえしれずのおばあさんを堀り出しに行くんだよ。その玉さえ拾ってくりゃ、白状しねえで舌をかみ切ったなぞの玉手箱も、ひとりでにばらりと解けらあ。さあ、駕籠だッ」

二丁並べて松の内正月二日の初荷の町を、われらも初出とばかり、ひたひたといっさん走り。