Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
所をよく聞かなかったが、人殺しゃどこだといった」
「おどろいたな。あっしどもは、だんなが飛び出したんで、そりゃこそてがら争いとばかり、あとをついてきただけなんですよ」
「いちいちとそれだ。もっと万事に抜からぬよう気をつけろい。たしか北条坂とかいったが、その北条坂はどの辺だ」
「ここがそうなんですよ」
「そんならそうと早くいえッ。殺されたのは小娘だといったはずだ。捜してみろッ」
麻布もこの辺になると町家もまばらだが、人通りも少ない寂しい通りばかりです。ましてや、明け暮れ降りつづく入梅なのでした。行き来の者はまったくとだえて、見えるものはどろ道と坂ばかり……。
「おかしいな。かりそめにも人がひとり殺されたというからには、物見だかりがしているはずだ。もういっぺん坂を上から下へ捜し直してみろッ」
三人でいま一度その北条坂を調べてみたが、人影もない。むくろもない。
「右門め、先回りをしてさらっていったな!」
癇筋をたてながらひょいと敬四郎が足もとをみると、坂の曲がりかどの、青葉が暗くおい茂った下に、小さなこも包みがあるのです。はねのけてみると、――三人同時にぎょっとなりました。