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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
御意に召そうにも召さないにも、まるでいうことが右門には初耳でしたから、あっけにとられて聞きとがめると、ところが、いたって伝六がおちついていいました。
「だから、あまくだったといってるんじゃござんせんか。ここに松平のお殿さまからのりっぱなご添書がごぜえますから、ご覧なせえましよ」
うやうやしく伝六が奉書包みをさし出しましたものでしたから、さっそく右門も披見すると、いかさまりっぱなお添書といったことばのとおり、それなる一書は次のごとく書かれた松平伊豆守のお直筆でした。
「こは余が領国武州忍に育ちし者に候も、希代なるわざ二つあり、下人に捨ておくは惜しきものと存じ、そのほう配下に差し送り候条、よしなにお差配しかるべく、右推挙候者なり」
これが余人の推薦ならば、容易に食指を動かす右門ではありませんでしたが、天下第一の名宰相、知恵の権化の松平伊豆守が、これならばといわぬばかりに、太鼓のような判を押して、わざわざ送りつけてくださいましたものでしたから、右門もようやく事の顛末を知りまして、とりあえず座敷に請じあげると、おもむろにまずその人となりを尋ねました。
「では、ともかく人となりを承ろう。