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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
早くも看破するところがあったとみえて、ずばりといいました。
「人形の首からはぎとった毛だな!」
「ええ、そうですよ、そうですよ。このくらやみでしたから、兄貴の目じゃわからねえのがあたりめえですが、今さっきそこまで帰ってきましたら、あそこのかきねのそばをこちらへ、六十ぐれえの変なおやじが、人形をだいじそうにかかえながら、素はだしでふらふらとやって来ましたんでね。おやッと思いながら目をみはっていましたら、やにわとこの黒ねこめが横から人形に飛びついて、このとおり髪の毛を引きむしりながら、うちの庭先へ逃げ込みやがったんで、さっそくこっちもねこになって追いかけまわしたんですよ」
「ちっと奇態な話だな。おやじはどうした」
「そいつがあっしにも似合わねえどじをしたもんですが、ついじゃまっけでしたから、出がけに家へ投げなわをこかしこんでいきましたんで、それさえありゃおやじの三人や五人手もなくつかまるやつを、みすみす逃げられちまったんですよ」
「いくらお公卿さまだからって、商売道具のなわを忘れていくたあ、ちっとのどかすぎるじゃねえか。ま、いいや、いいや、ねこをちょっくらこっちへ貸してみな」