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うもんとりものちょう

右門捕物帖(二)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens

Aozora Bunko

「黙って首なんぞひねらなくたっていいんだよ。ほら、小判で五両やるから、これで酒手もなにもかも含めてな、大急ぎに遠出駕籠を三丁雇うてこいよ」

「ゲエッ――と、ようようこれで声が出やがった。まあそう矢つぎばやとものをおっしゃらずに、しばらく待っておくんなせえよ。――な、辰ッ。おりゃ、こんどばかりは、だんだんだんながおっかなくなってきたからな、お供は断わりてえが、おめえ行く気かい」

「…………」

「なにをもがもがと、死にかけたふなみてえな口つきしてやがるんだ。おめえもあんまりおどろいたんで、声が出ねえのか!」

「で、で、出るよ、出るよ、このとおりりっぱに出るが、だんながああおっしゃるんだから、青葉見物とやらに行ったらいいじゃねえかよ」

「ちぇッ、こいつ、おまえの目は夜が夜中でも青葉が見えるかしらねえが、おらの目はこう見えたって人間並みにまっとうなんだぜ。つまらんところで、できそこないの目を自慢するない!」

「おいこら、伝六ッ」

「えッ!」

「なにをいつまでむだ口たたいているんだ。駕籠はどうした!」

「あきれるな、またなんか化かす気でいるんだからな。ほかのところじゃ慈悲ぶけえだんなだが、いつもこの手ばかりゃ、ほんとに伝六泣かせですよ」