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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
「いかにもね。そうすると、やっぱり、箱書きをするといって、あの箱を持ちけえったことがなんか細工の種ですかね」
「ほほう。じゃ、おまえもやっぱり箱書きが怪しいとにらんだかい」
「だって、考えてみりゃおかしいじゃござんせんか。お祝儀の進物に持ってくるくれえなら、箱書きなんぞまえからちゃんと用意してくるのがあたりめえなんだからね。しかも、きいてみりゃ、盗まれた雪舟がやっぱり尺二で、さっきあそこに掛かっていた新画のほうも同じ尺二じゃござんせんか。だから、思うに、あれと雪舟とを掛け替えるとき、うまいこと目をちょろまかして、持ってきた箱の中へ雪舟を盗み入れたうえで、箱書きを口実に、まんまと持ち帰ったんじゃござんせんかね」
「偉い! そのとおりだよ。そのとおりだよ。きさまもだいぶこのごろ修業が積んだな」
「ちぇッ、つまらないことを、めったにほめてもらいますまいよ。あっしだって、三年たちゃ三つになりますからね。それに、でえいち、盗まれた品物が品物ですからね。あんなかさばるものを、おやじの見ている前でどうして持ち出したろうと不審をうっているとき、ひょっくりとだんなが箱のことを尋ねなすったものだから、さてはそいつが急所だなと思って、いっしょうけんめい聞いていたところへ、箱書きうんぬんのことを申し立てたので、こいつ鳶頭が細工したなと