Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
しかるに、藩士はあくまで奇怪――ふたたび権高にこづき返しましたので、短気一徹、こうなるとすこぶる勇みはだの伝法伝六が、ことごとくいきりたちながら、あぶくを飛ばして名人をけしかけました。
「だんなともあろう者が、何をぺこぺこするんですかッ。こんなもののわからねえ木念仁のでこぼこ侍をつかまえて、したてに出るがもなあねえじゃござんせんかッ。ぽんぽんといつもの胸のすくやつをきっておやりなせよ! 名めえを聞かしゃ、目のくり玉がそっぽへでんぐり返るにちげえねえから、早いとこずばりと名を名のっておやりなせえよッ」
まことに伝法伝六のいうとおり、右門おはこの名啖呵を一つちょっぴり、この辺できってやったら、よし江戸と名古屋と東西百里の隔たりはあっても、広大無辺なその名声に、少しはびっくりするだろうと思われましたが、しかし、こういうところがまたやはり右門流です。
「そうでござりまするか。寄ってはならぬとおっしゃるならば、いかにも手を引きましょうよ」
あっさりいってのけると、いいつつ、じろりとあの鋭いまなこを注いで、半弓に用いた毒矢を遠くから烱々と見ながめていましたが、それさえ検分すればもうじゅうぶんというように、さっさと向こう横町まで引きあげていくと、疾風迅雷の命令一下――。