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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
鍬と申す農具にござります」
「なに、あれが鍬と申すか。ほほうのう。予はよい学問いたしたぞ」
できるものなら二日ばかり将軍さまになってみたい。――たいそうもなく斜めないごきげんで鷹野をつづけていくうちに、下尾久へはいろうとするあたりから、年まえの江戸には珍しい粉雪が、ちらちらと舞いだしました。なんともふつごう千万な話です。せっかくの鷹狩りに雪が舞いだしたとは、いいようもなくふらちな話ですが、雪になったとならば、残念ながらお鷹が飛ばないのです。鷹野にやって来て、第一の狩り道具たる鷹が飛ばないとならば、いうまでもない!
「帰館じゃ! 予はもう帰館いたすぞ。供ぞろいせい!」
「ちぇッ。なんでえ! なんでえ!」
お中止になったそのお沙汰を聞いて、響きの物に応ずるごとく、たちまち鳴りだしたのは余人ならぬ伝六でした。――もっとも、伝六なぞのいたところは、うしろもうしろもずっとうしろの、遠がすみにかすんで見えるあたりでしたから、中止のお沙汰が将軍家からまず伊豆守に伝わり、伊豆守から諸侯がたに伝わり、諸侯がたから近侍に伝わり、近侍からお徒供、町方衆へと、そのまた町方のいちばん末の伝六なぞのところまで伝わってくるには、そばかうどんであろうものなら、とっくにもう伸びてしまっている時分でしたが、しかし遠いところにいようと、近くにいよ