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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
そうするとなんですな、昔からよくある古い型だが、この印籠が秀の浦の死骸のそばにでも落っこちていたというんですな」
「いうまでもねえや。それも、ただのところに落っこちていたんじゃねえんだ。この江戸錦の野郎をいくら締め上げても、知らぬ存ぜぬと言い張って遺恨相撲の子細をぬかしゃがらねえから、それなら秀の浦とふたりを突き合わして白状さしてやろうと、こやつめをしょっぴきながら秀の浦のあとを追っかけていったら、かわいそうに、四ツ谷見付の土手先でこの駕籠へはいったまま、あけに染まってゴネっているんだ。しかも、その駕籠の中にこの印籠が落っこちていたんだから、だれだって江戸錦が下手人と思うに不思議はねえじゃねえか」
事実としたら、いかさまこれは、敬四郎が江戸錦を下手人と思うに不思議はないことでした。左内坂から行き先不明になった秀の浦が死骸となって駕籠にのったまま四ツ谷見付の土手先にころがっていて、その駕籠の中の死骸のそばに、江戸錦所有の印籠が落ちていたというんですから、まことに敬四郎が大得意になって、こんな狂言じみた死骸持ち運びの一幕を演じたのは当然のことです。が、しかし、われらのむっつり右門は常に別あつらえの頭脳の持ち主です。