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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

よしなったら、よさねえかよ!」

なだめすかしても聞かばこそ、くろは必死にしがみついている伝六を背中に乗せて、ひた走りに走りつづけました。お馬場は川に沿って細長く七、八町つづいているのです。

ぴゅうぴゅうとうなりをたてんばかりに走りつづけて、その細長いお馬場の行き止まりまであともう一、二町と思われるあたりまで駆けすすんだとき、とつぜん、ちょこちょこと横から飛び出した影がある。

十一、二ぐらいの少年なのです。しかも、手には長い竹ざおを持っているのでした。飛び出してさっと馬の行く手に立ちふさがると、舌を巻きたいほどにも機転のきいた少年なのでした。パカパカと矢のように駆け近づいてくる馬の鼻さきめがけて、手にしていた青竹をひゅうひゅうと打ちふりました。

「な、な、なにするんだ! どきな! どきな! けとばされたらあぶねえじゃねえか!」

「おじさんこそあぶないよ。馬を止めてやるんだ」

「バカいうない! おらに止まらねえものが、おまえなんぞに止められてたまるもんか! そら! そら! あぶねえじゃねえかよ」

その声の終わらぬうちに、ぴたりと馬が止まったから不思議です。