Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

いかほどきいても行く先白状せぬが不審じゃ。いいや、そればかりではないわい。これをみろ、これを! 女房がたいせつにいたしておった小判の包みじゃ。おやじめ、この七百両を背中にいたして、ゆうべのそのそとどこかへ出かけておるわ。いかほど締めてもいわぬが、うしろ暗い証拠じゃわい」

「ほほう。なるほど、小判の包みを背中にいたして家をるすにしましたとのう。――おやじ、それはほんとうか!」

「ほんとうでござります……」

「何しに、どこへいった?」

「そればっかりは……」

「白状できぬというか。疑いが濃くなるばかりだのにのう。子どもたち、おまえら知っておるだろう。ちゃんはどこへいった?」

「あの、あの……」

言いかけたのを、横から父親がけわしくねめつけました。

何か深い秘密があるらしいまなざしなのです。

「みろ! おやじめ、七百両に目がくらんで、なんぞ細工したに相違ないわい。この敬四郎に授かったてがらじゃ、指一本触れてもらいとうない。直九! じゃまされぬうちに、この死骸も早く取りかたづけろ」

「いや、おてがらはけっこうじゃが、まだ少々お早いようじゃ。待てッ、直九!」

得意顔に命じて敬四郎が手下の者たちに始末させようとしたのを、にこやかに微笑して制すると、名人がやんわりと右門流をほのめかしはじめました。