Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
「聞き込みですかい」
「そうよ。人の毛は肉の下からはえてくるんだ。気ままかってに取りはずしのできる品じゃねえ。ひとりかふたりか、おおぜいの目を借りたら正体もわかるにちげえねえから、ひとっ走りいって洗ってきな」
「よしきた。ちくしょうめ。たっぷりとまゆにつばをつけていってやらあ。どこでお待ちなさるんです。いずれはどこかそこらの食い物屋でしょうね」
「お手のすじさ。おいらが食い物屋と縁が切れたら冥土へちけえよ。あの向こうの突き当たりだ。オナラチャズケ、ウジリョウリとひねった看板が見えるじゃねえか。あそこにいるから、舞っておいで」
夕ばえ近い町を、伝六は左へ、名人は右へ、――お奈良茶漬宇治料理とかいたのれんが、吸いこむように右門の姿をかくしました。
3
半刻、四半刻と、やがて日のいろが薄れて、ほの白い春の宵が、しっとりとたれ落ちました。精いっぱいの聞き込みを集めているとみえて、わかれていった伝六がなかなか帰らないのです。――寝て待ち、起きて待ち、あごと遊んで待っているうちに、人通りもおおかた遠のいた表の町から、ばたばたと景気のいい足音が、下の店さきへ駆けこみました。