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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

飼いねこに、いや、飼いやまがらに手をかまれるたアこのことさ。とんだやつが、ぴょんぴょんと飛んだばっかりに、とんだところへもみじをつけて、おきのどくだったな。――その手に覚えがあるはずだ。受けてみろッ!」

えぐるように叫んで、ぱっと大きく名人が泳いだかと思うと、お駒目がけてまっこうから襲いかかりました。

しかし、お駒もさる者、せつなにするりと体をかわすと、あざやかともあざやかな手の内でした。

開いて構えたは、こぶし上段、――すいとその手が中段に下がったかと思うと、位もぴたり、一刀流か神伝流か、中段青眼に位をつけた無手の構えには、うの毛でついたほどのすきもないのです。

見ながめながら、名人が莞爾と大きく笑いました。

捕るとみせて、襲ったのは、実を吐かせるための右門流だったのです。

「その手のうちだ。みごとな構えだ。どこのだれに習った何流か知らねえが、その構え、その位取り、その身のさばきぐあいなら、男のふたりや三人、切ってすてるにぞうさはねえはずだ。どうだえ、お駒、覚えがあろう、むっつり右門の責め手、たたみ吟味は、かくのとおり味がこまけえんだ。もう、知らぬ存ぜぬとはいわさねえぜ。