Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

まいと察したゆえ、騒ぎの大きくならぬうちに、尊公のお力を借りてと、火急にこっそりお招き申したのじゃ」

「なるほど。なまめかしい品々でござりまするな。浮いていた場所は?」

「ほら、あのまんなかを見られよ。ぶくぶくと、ときおりあわが吹いておるところがござろう。あのあたりひとところを離れずに、ゆらりゆらりと漂っていたのじゃ。それゆえ、不審はまずあの一カ所と、このとおり、水練に達者な者どもをさっそくかしこへくぐらせてみたが、奇態でござるわい。どうしたことやら、名うての泳ぎ達者どもでさえが、魔に吸いこまれるようなここちいたして、寄りつかれぬと申すのじゃ」

「なに、魔に吸いこまれるようなここちいたしますとのう。ほほう。あそこでござりまするな」

じっと目を光らせて見ながめていたかと見るまに、

「アハハハ……もっともなお話でござります」

からからとうち笑うと、来るそうそうからすでにもう、すばらしい右門流でした。地の底、水の底の秘密も、いながらにしてたなごころをさすごとく、こともなげになぞを解いて、ずばりといったものです。

「かしこへは寄りつかれぬも道理、おそらく隠し井戸の一つがござりまして、どうしたことか、たぶん吹き井戸の水道が切れましたために、かえって地の底へ濠水を吸い込んでおるに相違ござりませぬよ。