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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
やかましくさえずりだしたのをしりめにかけて、右門、平七のふたりは一ノ橋ご門から左へお薬園の前に抜け、ぐるりと回ってご本丸大奥外のお番屋を訪れました。ここはいわずと知れた大奥警備の番士たちの詰め所です。
あきべやを借りうけて、伝六ともども待ちうけているところへ、まもなく三宅平七が伴ってきたのは、大奥名代のおしゃべり坊主可賀でした。
「これはこれは、わざわざてまえをお名ざしで御用とは、近ごろ冥加のいたりでござりやす。八丁堀ご名物むっつり右門とおっしゃりますそうなが、御用の筋はなんでおじゃります。てまえはお鳥係り。烏は唐の金鶏鳥、四国土佐のおながどり、あるはまためじろ、ほおじろ、うぐいすならば鳴き音が千両、つるに、ひばりに、恋慕鳥、別して大奥のお女中がたは、この恋慕鳥が大の好物でござりやす。御用はその鳥に何か?」
「アハハ。なるほど、ききしにまさるお口達者でござりまするな。そのぶんならば、ずんと頼みがいもありましょう。ちと異なお願いでござりまするが、てまえは今おおせのその右門、けさほど牛ガ淵でゆゆしき変事がござりましたのでな。ぜひとも今明日中に、大奥仕えのお女中残らずをお詮議いたさねばなりませぬ。