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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
番のおかた! 上役のおかたはおりませぬか! おはようこれへお出会いめされいッ」
声にあわただしく姿を見せたのは、番頭次席あたりとおぼしき関所役人です。
「容易ならぬくせもの、まんまと当関所を破ってござる。お力借りたい、火急にお手配くだされたい」
「貴殿は?」
「江戸八丁堀、近藤右門と申す者じゃ」
「なに、ご貴殿がのう。ご姓名は承っておらぬでもないが、関所のおきて、なんぞお手あかし拝見つかまつりたい」
「取り急いでまいったゆえ、ご奉行さまお手判は所持しておらぬが、これこそなによりの手あかし、ご覧召されい」
取り出したのは、きのう朝、お濠方畑野蔵人から火急の招致をうけたその招き状です。
「城中、内濠にていぶかしき変事出来、即刻おん越し待ちあげ候。
お濠方組頭 畑野蔵人
近藤右門殿
とある一通でした。
「何よりたしか、よろしゅうござる。いかにも力お貸し申そうが、手配のてはずは?」
「今よりただちに早馬飛ばさば、じゅうぶんにまだまにあいまするはず、一騎か二騎か、火急に三島へ飛ばして、宿止めするよう、お計らいくだされい」
「口上は?」
「江戸より急ぎのご宝物、ご通行とお触れくださらばけっこうでござる」