Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens

Aozora Bunko

それがいま申したとおり、胸もとを刺されて血に染まっていたのでな、騒ぎだしたらこの源内の恥辱と思うて、こっそりと同牢の者十八人を洗ってみたのじゃが、下手人はおろか、刃物さえも見つからぬのじゃ。それゆえ、うろたえて、いっそてまえごときがまごまごといじくりまわすよりも、そなたのご助力仰いだが早道と思うて、取るものも取りあえず駆けつけたのじゃ。面目ない……面目ない……お寒いところおきのどくじゃが、お力お貸しくだされい」

「ようござる。お互いお上仕え、災難苦労は相見互いじゃ。すぐ参ってしんぜよう。ご案内くだされい」

「かたじけねえ!」

「なに喜んでいるんだ。それがむだ口だというんだよ。早くはきものでも出しな」

「いちいちとそれだ。源内だんなの代わりに、この伝六がお礼をいっているんですよ。諸事このとおり抜けめのねえところが、他人にゃできねえ芸当なんだ。へえ、おはきもの――」

「おいらじゃねえや。源内だんなが、はだしではさぞおつめたかろうと思って、はきものをといったんだよ。まのぬけたことばかりやっていやがって、このとおり抜けめがねえもねえもんだ。では、お供つかまつる。冷えますな……」