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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
Read 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) by 野村 あらえびす (のむらあらえびす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 344,837 characters · 680 screens
この人のレコードで、日本ビクターから出ているものでは、モーツァルトの『子守唄』(E五五五)と、リヒアルト・シュトラウスの『夜曲』『朝』(JD三八六)が二大傑作であろう。二つとも七、八年前の吹込みで、エリザベート・シューマンの若さが匂うばかりでなく、同情と理解のある歌い方で、実に美しいレコードと言っていい。次いではシューマンの『胡桃の樹』(JD一一〇)、シューベルトの『野薔薇』『汝こそわが憩い』など可憐なレコードだ。通俗なのではフリュートの助奏入りの『森の小鳥』と『私のもの』、但しこれはむずかしいリード好きが聴くものではない。本当の意味で通俗なレコードだ。
モーツァルトのオペラは非常に良いと言われるが、日本ビクターには入っていない(HMVにはたくさんある)。ビクターのバッハの『弥撒=ロ短調』のソプラノはこの人が歌っている。このレコードに大きな価値を添えたのはシューマンの力であったと言ってもいい。
シューマンも近頃下り坂になったと言われている(大田太郎氏が話していられた)。年のせいというほどではないかも知れぬが、シューマンの絶頂期は十年前から五、六年前までで、この二、三年は高い方の声がいけなくなりつつあることは事実らしい。