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あいこくしんわたしはこうおもう
和人は舟を食う
知里 真志保
Read 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) by 知里 真志保 (ちりましほ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 70,567 characters · 144 screens
最初にこのぼろの着物を身につけた東風の神が、舞いながら祭場に出て来ます。やがて、美しい衣裳をつけた、他の風の神達も、それぞれの方角から、舞いながら出てきます。東風の神は人々の間をはねまわり、砂をかけ、水をかけ、あらゆる乱暴狼藉をはたらきます。それを見ると、他の風の神達は東風の神を追いかけ、とりかこみ、水際に追いつめて、遂には、海中に追いこみます。彼は着物をびしょぬれにしながら海中を逃げまわり、最後に岸に這い上って、他の風の神達や会衆の前にひれ伏して、「もう決して乱暴はいたしませんから許して下さい」と陳謝いたします。それで、このお祭は終るのであります。
漁撈に関して行われたこのような風鎮めの祭は、古くは酋長たるシャーマンが祭主となってとり行われたものであり、その際に演じられる習いであった風の神退治の演劇は、さらに古くは祭主たるシャーマンの妹と称せられる女のシャーマン(巫女)が、風の神の役割を演じ、祭主たるシャーマンがそれを退治する趣向の仮装舞踊劇であったらしく、風の神退治の神話がそれを示しております。そのような神話は各地に数多く伝えられているのであります。