Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あいこくしんわたしはこうおもう
和人は舟を食う
知里 真志保
Read 和人は舟を食う (あいこくしんわたしはこうおもう) by 知里 真志保 (ちりましほ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 70,567 characters · 144 screens
部落で新聞をとっていたのはわずか数軒にすぎなかったので、おばのところへ新聞のニュースや小説を聞きに来たり、またおばが不自由な身なので、祖母がいつも身の回りの世話をしていたのであるが、その祖母からユーカラを聞いて楽しんだりしたのである。こうしておばはその間にユーカラに関する知識をたくわえていったらしい。
大正11年、女学校を終えたばかりの養女ユキエが、アイヌ文学の紹介を一生の仕事と決めて上京したのであるが、こと志とちがい、一冊のアイヌ神謡を残したきりで宿痾の心臓病で19歳のつぼみの生涯を終えると、まもなく祖母もあとを追うように死に、その養女の七年忌に上京したおばが、いまさら養女のやりかけた仕事の重大な意義に気づき、自分の余生をアイヌ文学の粋であるユーカラの筆録にささげようと決心して、戦前、戦後にかけて独力で一万数千頁のユーカラをローマ字で書き残したのは周知のとおりである。
その功績によって昭和31年無形文化財保持者に指定され、紫綬褒章を授けられた。おばとしては望外の光栄に感泣したことであろう。ただ、そのころからおばに老耄の気がみられ、われわれがユーカラ採集に行っても支離滅裂なところがみられてきた。