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しこくへんろにっき

四国遍路日記

種田 山頭火

Read 四国遍路日記 (しこくへんろにっき) by 種田 山頭火 (たねださんとうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 15,842 characters · 32 screens

Aozora Bunko

同宿四人、修業遍路二人、巡礼母子二人、何だかごみごみごてごてして寝覚勝な夜であった。

(十一月一日)

旅空ほつかりと朝月がある

夜をこめておちつけない葦の葉ずれの

ちかづく山の、とほざかる山の雑木紅葉の

落葉吹きまくる風のよろよろあるく

秋の山山ひきずる地下足袋のやぶれ

お山のぼりくだり何かおとしたやうな

十一月二日 快晴、行程八里、星越山麓、あさひや。

早起早立、まっしぐらにいそぐ、第十八番恩山寺遥拝、第十九番立江寺拝登。

野良で野良働きの人々がお弁当を食べている、私も食べる、わがままをつつしむべし。

飴玉をしゃぶりつついくつかの村を過ぎる、福井(鉄道の終点)というところで、一杯ひっかける、つかれがうすらいだ、山路になる、雑木山の今日この頃は美しい、鉦打で泊ろうと思ったけれど泊めてくれない、また歩きつづけて峠の下で泊めて貰う、まったくの山村だが、電話もあればラジオもある、宿は可もなし不可もなしだった、相客は老同行、話し合っているうちに同県人だったので、何となくなつかしかった、好感の持てるおじいさんだった。

今夜も風呂なし(昨夜も)、水で身体を拭いたが肌寒を感じた。

十一月三日 晴、行程八里、牟岐、長尾屋。