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そうせきしとわたし
回想 子規・漱石
高浜 虚子
Read 回想 子規・漱石 (そうせきしとわたし) by 高浜 虚子 (たかはまきょし) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 115,187 characters · 231 screens
小生方にも一部より参らずと申候えば、御失望の様子なりき。万一飄亭方へでもと存じ聞合候処同人へも一部しか来らずと。さては貴兄もぬかり給えり。とにかく初号也。残りあらば何部にてもよこしたまえ。鳴雪翁は少くも五、六部はほしといわれたり。(これは久松家及び諸俳人に贈るため)とにかく『ほととぎす』発行に就きては鳴雪翁一番大得意也。翁は一号を見てうれしくてたまらねば即日小家へも来られたるわけ也。
正直に申せば小生鳴雪翁ほどには得意ならず。一号を見た時はじめはうれしく後には多少不平なりき。しかし出来るだけは完美にしたいとは思う也。御勉強可被下候。壱円位の損耗ならば小生より差出してもよろしく候。
鳴雪翁のうれしさはあたかも情郎の情婦におけるが如く、親の子におけるが如くにて体裁も不体裁もなくただむやみやたらに嬉しき也。『ほととぎす』は翁の好意に向って感謝する処なかるべからず。
鳴雪翁は二号に「粛山公の句」を送らるる由小生は「反古籠」を永く書くべし。
右大略批評まで如此候。以上。
一月二十一日子規
正之君
一号残り御贈り被下度鳴雪翁宛にてもよろし。
当地昨今厳寒
手凍えてしば/\筆の落んとす