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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Read 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 55,000 characters · 111 screens
「ああ、あれは、日本の飛行機じゃないか」
「日の丸のマークはついているが、まさか、この南極に、日本の飛行機がやってくるはずはない」
「でも、日の丸がついていれば日本機と思うほかないではないか」
将校の間には、はやくも、いいあらそいがおこった。
ところが、いったん、通りすぎた日本機は、すぐまた、引きかえしてきた。
「おい、高射砲はどうした」
「高射砲なんか、あるものか」
「じゃあ、高射機関銃もないのか」
「それは、どこかにあった」
「どこかにあったじゃ、間に合わない。総員機銃でも小銃でも持って、空をねらえ」
と、氷上では、たいへんなさわぎが、はじまった。なにしろ不意打の空襲である。今もし、そこで、機上から機銃掃射か、爆弾でもなげつけられれば、南極派遣軍は、たちまち全滅とならなければならなかった。
ゆだん大敵とはよくいった。
さあ、こうなっては、空中をねらったのがいいか。それとも氷のかげで、大の字なりになってたおれていたのがいいのか、わからない。さわぎは、一層大きくなった。
日本機は、大たんな低空飛行をつづけてあっという間にとび去った。
氷上のアメリカ兵たちは、そのあとをおいかけて、ぽんぽん、たんたんと、小銃や機銃をうちかけた。