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ちていせんしゃのかいじん
地底戦車の怪人
海野 十三
Read 地底戦車の怪人 (ちていせんしゃのかいじん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 55,000 characters · 111 screens
二人は飛行機のうえで、たがいにしっかりつかまってぶるぶるふるえている、だがあいかわらず、口だけはへらない。
「パイ軍曹どの、気分は、どうもありませんか」
「うん。正直なところすこし困っている。なにしろ、おれは地底戦車兵であるが、航空兵ではないのだからなあ。お前はどうか」
「はい、もちろん、自分も軍曹どのと、同じことであります。どうも自分は、スピードの早いものは、にが手なんで……。この飛行機は、落ちませんかな」
「落ちそうだなあ。地底戦車が落ちた場所とちがって、飛行機が落ちれば、われわれの生命はないぞ」
「だから、自分は、戦車の方が好きなんです。ねえ、パイ軍曹どの。一つ指揮官へ無線電話をかけて、われわれ戦車兵を飛行機にのせるのは違法であるから、この五番機だけ、早く元の氷上へかえしてくださいといってくれませんか」
「ふん、それはいい。ではそうしようか」
とパイ軍曹が、無線の送話器をとりあげようとしたとき、軍曹が耳にかけていた伝声管の中から、機長の、うわずったこえがきこえた。
「敵機が見つかった。戦闘用意!」
戦闘用意!
「おい、戦闘用意だとよ」
パイ軍曹は、ピート一等兵の脇腹をついた。