Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Read 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,131 characters · 423 screens
「はて、おかしいぞ」
道庵先生もまたこの時首を捻りましたが、
「何だね、先生」
「どうも、おかしい、あの印度人は見たことのあるような印度人だ」
「先生は印度人にも友達があるのかね」
「どうも、あの時より肉は少し落ちているが、骨組に変りはなし、跛足に申し分もなし、こいつはいよいよおかしい」
道庵先生は、慈姑頭を振り立てて印度人の恰好を横から見、縦から見ていましたが、
「あはははは」
突然、大きな声で笑い出しました。
時々変なことを言い出すお医者さんと思って、あたりの見物も気に留めなかったが、この時は笑い方があまり仰山であったから、みんなが道庵の方を振向いて見ました。
「先生、何を笑ってるのだ」
与八も驚かされました。
「あはははは」
道庵はやはり大口をあいて笑います。
「何がおかしいだか」
与八は受取れぬ面。
「まず前芸と致しまして槍投げの一曲、宙天に投げたる槍を片手に受け留める……」
口上言いが言う。
印度人が槍を取り直して、ヒューと上へ投げる。
「うまいぞ! あははは」
道庵先生が囃すと、印度人はブルブルと慄えて、落ちて来た槍を危ないところで受け留める。手足にワナワナと顫えが見えるのが不思議です。