Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Read 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 185,112 characters · 362 screens
声高らかに呼ぶ者があると、
「頼朝公の御入り」
とわけわからずに同ずるものもありました。これが小塚原を繰出すと、ゆくゆく箕輪、山谷、金杉あたりから聞き伝えた物好き連が、面白半分に潮の如く集まって来て踊りました。その唄と踊りの千差万別なることは名状すべくもありません。大山大聖とあがめまつるものもあれば、鎌倉の右大将だというところから鎌倉ぶしを謡うものもある、木遣を自慢にうなるものもある、一貫三百を叩き出すものもあろうという景気は、到底人間業とは見えませんでした。
この噂が程遠からぬ吉原の廓へ響くと、吉原の有志は、どう考えたものか、ぜひ道を枉げて、その一隊に吉原へ繰込んでいただきたいという交渉であります。
ずっと伝通院まで乗込むはずであったのを、吉原遊廓の懇望もだし難く、大山大聖が、しばらくそこへ駕を枉げることになりました。吉原では、大樽の鏡を抜いてこの一行をもてなします。お賽銭が雨の降るようです。
ここで暫く休んで、いざ出立という時に、米友の馬側に二人の童子が立ちました。その一人は金伽羅童子、一人は制陀伽童子、二人ともに絵に見る通りの仮装をして、これから大聖不動の馬側に添うて、どこまでもおともを仕ろうという気色です。