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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Read 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 185,112 characters · 362 screens
「あいにく、それがお前さんとは、ちっとばかり話の合わない人なんだから、お目にかかったって仕方がないよ」
「話が合うか合わないか、話してみなけりゃ判らねえや」
「だって、先方は殿様だもの」
「おや、殿様だって? どこのどうした殿様だか知らねえが、お前が特別の御贔屓にあずかっている殿様へ、おいらがお礼を申し上げて悪かろう道理はなかろうじゃねえか」
「それにしたってお前、あの殿様とお前さんとは、あんまり桁が違い過ぎるからね」
「なるほど、このがんりきと、何とやらの殿様とは、あんまり桁が違い過ぎるけれど、女軽業の親方と駒井能登守とは、あんまり桁が違わねえのかい」
「まあお前さん、それを知っているの、駒井の殿様を御存じなの」
「ばかにするない、甲州勤番支配の時分から先刻御承知の殿様だ、鉄砲が大層お上手だそうだけれど、女にかけては根っから二本棒の殿様だ、身分違いのロクでもねえ女にひっかかって、あったら家柄を棒に振ってしまった殿様なんだ。どこをどうしたか、それをこのごろお前が引っかけて物にしているということが、いつまでがんりきの耳へ入らずにいると思っているのだ。そりゃ痩せても枯れても、もとは三千石の駒井能登守、お前の腕で絞ったら、まだずいぶん絞り甲斐もあるだろうが、そんな気のいい殿様を、お前のようないかものに二度三度絞らせておいちゃ