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だいぼさつとうげ
大菩薩峠6
中里 介山
Read 大菩薩峠6 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 185,112 characters · 362 screens
「土団子でねえにしても、お前さんを濡らしちゃ気の毒だ。それじゃあ、わたしはそこいらで一杯やることにしますからね、兄さん、御苦労だが、そこまで送ってやっておくんなさいな。ナニ、どっちでもかまわねえんだ、あいつらが両国の方へ行ったから、同じ方へ行くのも癪だ、代地の方へ行きましょうよ」
こう言ってがんりきが、橋の上を歩き出そうとすると、
「遠慮をしなくってもいいやな、傘は貸して上げるから、一人で勝手なところへ行きな、おいらは送って行くのは嫌だよ」
「だって、兄さん、濡れたって詰らねえじゃねえか」
「いいよ、おいらは濡れたってかまわねえんだ、ズブ濡れになった方が、気持がいいくらいなものだ」
「自暴なことを言いっこなし」
「自暴なんぞを言やしねえ」
「そんなことを言わずに、おとなしく相合傘という寸法で行こうじゃねえか。一人で差したる傘なれば、片袖濡れようはずがない、なんぞは乙なもんだが、フラれて、自暴で、ズブ濡れなんぞは気が利かねえ、兄さん、相合傘とやりましょうよ」
がんりきは強いて米友を、相合傘に捲き込もうとするけれども、米友は頑として聞かない。ぐずぐずしていると傘を抛りつけて行ってしまいそうですから、相合傘の押売りなんぞは気の利かないことこの上なしだと、がんりきも呆れ返ってもてあましている途端に、フイと気のついたことがあり