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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Read 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 122,347 characters · 243 screens
何がむごいと言うたとて、仙太公、お前ほどむごい男は居ねえぞよ。こうしてやって来た俺を掴まえて、しょっぱなに言うことが、お妙様、丈夫か? いくら、お前、嬢様に惚れているからと言うても、そいつは、むげえと言うもんだぞ! 俺だとて、お妙さんのこと、優しい綺麗ないじらしい嬢様だとは思うている、思うていればこそ、お前の言伝けた金を持ってってやって以来、ズーッと植木に居て面倒見て来たがそんでも、俺ぁ惚れているのとは違うぞ! 見損ってはもらうめえ。いくら何でも――。
仙太 アハハ、俺が悪かった。じゃどう言えばいいのだ、段六公?
段六 どうもこうもねえ、お前こんねえに物騒な所に居るのは止めて、真壁へでも植木へでも帰るべえ。戦争なんぞ、してえ人に任せて置けばよいのだ。
仙太 そいつは出来ねえ相談だ。
段六 出来ねえと? フン。……おお、いいや、帰るも帰ることだが、早く逃げろ、逃げてくれろ。今に長五郎とやらのバクチ打ちが、命を取りにやって来るぞ。
仙太 長五郎が? くらやみがかえ?
段六 シラを切ろうとしても駄目の皮だ。俺にことづけたあの時の金は、バクチ場を荒して取った金だろうが? さ、どうだ! いいや、いいや、俺ぁもう知っているのだ。