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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Read 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 122,347 characters · 243 screens
どんなことでもねえ。へい。……今の話だっても、無理に行かねえとは言っていねえ。しかし、それと言うのも、少しでもいいから民百姓によく響けと思えばこそのことだ。
加多 そのことを我々が忘れていると申すのか?
仙太 いえ、そうは言わねえ。言わねえが、この調子で内輪喧嘩ばかりで日を暮して居れば、先に行ってどうか知らねえが、あんた方のおつもりが下々に響く頃が来れば、かんじんの百姓は一人残らず消えてなくなっていやしねえかと思うんです。
加多 (ひどく静かに)よろしい、お前の言うことはよく解った。では聞くが、仙太、お前は最初ここに来た際に、本隊の志の存するところ、われわれの大義の根本に充分理解が行って参加したのだな? それを承知の上で生命を投げ出すという誓約の上で参加したな?
仙太 へい。
加多 それから、一旦加盟した上からは、上長の命令に背いた場合、隊士としての面目を汚した場合、斬られて死んでも不都合ないと……?
仙太 (加多の静かなのは、今にもズバッと抜刀して斬り付ける前ぶれであることを知っているので、ジリジリ後へ退りながら)斬って下すっても、ようござんす。
加多 フフフ、斬ってもよいが、俺は斬らぬ。