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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Read 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 122,347 characters · 243 screens
切れるぞ。(自分の刀を滝三に握らせる)
瀧三 ………。(オドオドして今にもワッとしぐれそうである)
仙太 ハハハ、斬ろうと思うな、斬ろうと思えば狂う、突き刺すんだと思え。それ、(スラリと刀を抜かせて持たせる)……いいか、人を斬るにゃ、……父の仇を斬るならば、こうして斬るのだ。……さ、小父さんの方を向いて突いて来い。突いて来い。
瀧三 ……ワアーン。(こらえきれずに泣き出す)
今井 ……馬鹿! だが仙太、まだおそくはない。加多先輩などは殿軍にまわって、まだ筑波だ。湊へ来い。笠間へは廻るな。道は山を突切れ。……利有らずして逃げる。しかしながら湊への道は、天下に通ずる道だぞ。忘れるな。必ず後から来いよ。いいな? 作造にあずかって腹ごしらえも出来た。田沼の兵を斬りながら行くのだ。来いよ、仙太郎! さらばだ。……(戸口の方へ)一剣、天下を行く……。(ドシドシ歩いて戸外へ消える)
まだクスンクスン泣いている瀧三。知らぬ顔をして三味を弾くお蔦。下を向いてそれを聞いている仙太郎……。
※(歌記号、1-3-28)誓いしことも有明の、月の桂の男気は、定めかねたる秋の空、だまされたさの真実に、見下ろされたる櫓下」