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てんぐがいでん きられのせんた
天狗外伝 斬られの仙太
三好 十郎
Read 天狗外伝 斬られの仙太 (てんぐがいでん きられのせんた) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 122,347 characters · 243 screens
こいつは今までの兄弟分のよしみに免じて俺の頼みを聞いてくれ。
長五 合点だ。筑波にゃ仏の瀧次郎、いい顔の貸元で、つき合いの日は浅えが妙な縁で江戸で呑み分けの兄き分がいるから、どうでそこに転げ込むんだ。だが、このままあっけなく別れると言うのも何だから、その辺で一杯どうだろう。
仙太 そうよなあ、一度別れりゃまたいつと言って会えねえ。お前を相手じゃ意地も張れめえ。(二人連立って本舞台へ。――茶店の前へ出て)おお丁度おあつらえ向きだ。ごめんよ。
長五 おい、休まして貰うぜ。なんだ、誰もいねえのか。おい!(言っているところへ、本宿の方の騒音急に激しくなり、エジャナイカ! の声々が潮のように起る)何だありゃ?
仙太 フフン、こんな所にも流行って来たのか。江戸を出る時も千住あたりでエジャナイカ、エジャナイカであちこち叩きこわしが始まっていたが。
長五 何でも米屋と質屋が一番先きに叩きこわされると言うのだから、米も金もなくなって食うに困った連中のやることだ。ウンとやるがいいや。ついでに知行取りの士屋敷や奉行所、公方様の米倉あたりまで伸せばいいに。
仙太 こらえ切れなくなった町人百姓の尾も頭もねえ八つ当りだ、どう転んだとてそこまでは行きはしねえ。