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いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Read 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) by 高見 順 (たかみじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,508 characters · 236 screens
――みんな、漫才みたようなもんさ。
(注七)
「惚太郎」へ行くと、美佐子はいなかった。「お座敷の仕事のこととかで、ちょっと出かけました」と細君が言った。
若い男の客が二人来ていて、うどん粉を匙ですくって流しながら自分の名らしいローマ字綴りを鉄板の上に書いて「今度は、うまくできたぞ」などと言って、打ち興じている。うどん粉がなかなか言うことをきかないから、その呼吸が難しい。面白そうなのに釣られて、私も「あんこてん」をもらった。あんこをうどん粉に丹念にまぜて、さて、自分の名を書こうとして、何かためらわれた。では誰か他の名を、――そうだと私はうなずいた。
K とまず書いた。なるほど難しい。最初にボタリとうどん粉を落とした柱の頭に、大きな癌ができてしまった。つづいて o ――つづいて y ―― Koyanagi Masako
見るに堪えない下手糞なできぐあいだった。はがしで、ごちゃごちゃとかためてしまった。
もう一度、――今度は慎重にやったので、どうにか見られる程度にできた。で、それはそのままにして、――(そうだ。今度は日本字で……)と思いついた時、
「おばさん、帰るよ」