Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
いかなるほしのもとに
如何なる星の下に
高見 順
Read 如何なる星の下に (いかなるほしのもとに) by 高見 順 (たかみじゅん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,508 characters · 236 screens
――但馬は今は浅草にいないが、みんなの心には但馬が依然として存在している。そんな感じですな」そう言って、唇が火傷しそうなくらいにまで吸い尽した煙草を、さらに、首をのばしてパッパッと唇を鳴らして吸うと、熱そうにして灰皿に捨て、
「さあ、出ましょうか」
そして立ち上りながら、ふと気づいた風で、
「倉橋君は、但馬をどうして知っているんですか」(朝野はいささか奇型的な感じがするくらい、脚が短かった。恐ろしく胴長で、――誇張して言えば、立っても、坐ってた時と高さがあまりかわりないくらいだった。)
「その人の細君というのと、田島町のお好み焼屋で知り合いになって……」
「惚太郎、――じゃないですか」
と朝野が遮った。「惚太郎というお好み焼屋でしょう」
「惚太郎」で私はまだ朝野に会ったことがない。
「朝野君は、あすこへ……」
「この頃は行かんですが……」
私たちは部屋を出た。急な階段を朝野は先に降りながら、
「あのお好み焼屋は、これがまた但馬の、――作品と言いますかな。あれは、ご亭主の惚太郎が出征したあとで細君が開いた、――家でやり出したんですがね。但馬が細君に勧めてやらしたんですよ」