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ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Read 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) by 正岡 容 (まさおかいるる) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 112,259 characters · 222 screens
大正末年には落語協会が三遊派的で、睦会の方が柳派的。現今では文治、文楽、志ん生らの落語協会が三遊派的で、柳橘、柳好、小文治、今輔の芸術協会が柳派的である。しかも圓朝以来の本格話術をもって鳴っていた三遊派の方にへらへらの万橘やすててこの圓遊が現れ、小さん、圓右君臨していた落語協会の方から三語楼、金語楼、小三治(正蔵)登場し、今また渋いとか地味だとかいわれる文治、文楽の落語協会の方からかえって、歌笑を世に送り出した。私はこの原因の那辺に存するかを、いまだよく検討していないのであるが、明治の三遊派の昔以来、本格派の方へとにかく爆笑的存在の落語家の次々に誕生してくるところまで、同じく伝統を守っている点はすこぶるおもしろいと思う。言い落したが、柳家三語楼君の全盛はこの時代がまさに頂点で、いつも自動車の爆音けたたましく楽屋入り。同君の人気は盲の小せんが夭折した大正中世から次第次第に上昇し、大震災直前いよいよ華やかな存在とはなっていた。
私が前述の宝塚の歌姫と別れた頃、三代目小さんはしばらく老衰しだし、しばしば高座で噺をまちがえるようになった(圓右は二世圓朝を襲名したまま倒れ、これにいなかった)。