Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ずいひつ よせばやし
寄席囃子 正岡容寄席随筆集
正岡 容
Read 寄席囃子 正岡容寄席随筆集 (ずいひつ よせばやし) by 正岡 容 (まさおかいるる) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 112,259 characters · 222 screens
発表の企画がある。くれぐれも加餐を祈ってやまない。
橘之助懐古
「この頃になってしみじみ橘之助を思い返す。もう東京では人気もあるまいが、しかしあれだけの芸人はいない。――ことに、阿蘭陀甚句の得わかぬ文句、テリガラフや築地の居留地や川蒸気などそんな時代の大津絵や。
それから子供がいやいや三味線を引っかかえてお稽古をする、あれなんぞは、どう考えても至上である。――仄かな瓦斯灯からぬけだしてきたような、あの明治一代の女芸人。だが惜しいとまこと思う頃にはこれまた東京の人でない」
かつて私にこの小品があり、昨秋、上梓した『随筆、寄席風俗』の中へ収めた。でも、これで見るともうその頃橘之助は先代圓といっしょになり、名古屋へ去っていたのだろうか。否、私の記憶によるとどうもそうではなく、この時の橘之助はまだまだ圓とはいっしょにならず、どこか別の地方へ稽古かたがた一人で行ってしまっていたのだという気がしてならない。それにしてももう今では「東京の人でない」どころか、この世の人ではなくなってしまった。
「立花家橘之助は、今も六十近くを、あの絶妙な浮世ぶしの撥さばきに、薬指の指輪をさびしく、かがやかせているであろうか※(感嘆符疑問符、1-8-78) その頃(震災の二年ほど前)橘之助は、小綺麗な女中をつかって四谷の左門町に二階を