Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
Read 少年探偵長 (しょうねんたんていちょう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 110,286 characters · 221 screens
いやまだお礼をいうのは早い。この中から三日月さまをださなくては……」
頭目は、義眼を両手の指先で支えて、くるくるとひっくりかえしてみた。しかし、義眼のどこをどうすれば開くのか、見当がつかなかった。その開き方は、某人物より一応きいておいたのであるが、どこをききまちがえたか、彼の記憶にあるとおりに、義眼の上下を持って左右にねじってみても、さっぱりあかないのだった。
(ふーン、こいつはまずい)と、頭目は心の中で舌打ちをした。だが、それを今顔色にあらわすことは戸倉に対しても、また部下に対してもおもしろくない。
が、問題は、それですむものではなかった。早くこれを開いてみる必要があった。
「おい木戸。大きな金槌を持ってこい。急いで持ってこい」
と、頭目は命令した。
「はい」と返事をして木戸が引込んでから、再び彼がこの部屋にあらわれるまで、ちょっと時間があった。一座は、ここでほっと一息いれた。
机博士は、戸倉老人の腕に、強心剤の注射を終えると、自分の指先をアルコールのついた脱脂綿で拭って、それからぎゅッとくびを延ばして背のびした。
「ねえ、頭目。もう一回、今みたいな手あらなことをなさると、わが輩はこの人物の生命について責任をおいませんぜ。