Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
やねうらのさんぽしゃ
屋根裏の散歩者
江戸川 乱歩
Read 屋根裏の散歩者 (やねうらのさんぽしゃ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 28,862 characters · 57 screens
ニヤニヤと笑い相になるのを、彼はやっとの事で堪えました。三郎は、生涯の中で、恐らく此時程得意を感じたことはありますまい。「イヨ親玉ア」自分自身にそんな掛け声でもしてやり度い程、水際立った悪党ぶりでした。
遠藤の友達――それは北村といって、遠藤が失恋していたという証言をした男です。――は、明智の名前をよく知っていて、快く遠藤の部屋を開けて呉れました。遠藤の父親が、国許から出て来て、仮葬を済ませたのが、やっと今日の午後のことで、部屋の中には、彼の持物が、まだ荷造りもせず、置いてあるのです。
遠藤の変死が発見されたのは、北村が会社へ出勤したあとだった由で、発見の刹那の有様はよく知らない様でしたが、人から聞いた事などを綜合して、彼は可成詳しく説明して呉れました。三郎もそれについて、さも局外者らしく、喋々と噂話などを述べ立てるのでした。
明智は二人の説明を聞きながら、如何にも玄人らしい目くばりで、部屋の中をあちらこちらと見廻していましたが、ふと机の上に置いてあった目覚し時計に気附くと、何を思ったのか、長い間それを眺めているのです。多分、その珍奇な装飾が彼の目を惹いたのかも知れません。