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ひだりぎっちょのまさちゃん
左ぎっちょの正ちゃん
小川 未明
Read 左ぎっちょの正ちゃん (ひだりぎっちょのまさちゃん) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 2,766 characters · 6 screens
「白いのもあるし、紫色のもあるね。」
「これは、緑色だろう。」
「そう、こんな黒いのもあったよ。」
洋服のポケットや、前垂れのポケットの中にいれて、チャラ、チャラと鳴らしていましたが、いつのまにか、ヨシ子さんの姿が見えなくなりました。
「ヨシ子さん、帰ったの。」と、正ちゃんが、ききました。
「お家へ糸を取りにいったんだろう。」と、三郎さんが答えました。
あちらから、ヨシ子さんが、かけてきました。見ると、糸と針を持ってきたのです。
「わたし、頸にかけるのだから、正ちゃん、これを糸にとおしてね。」と、いって、小さなヨシ子さんが頼みました。
ここにいる中で、正ちゃんがいちばん大きかったのです。そして、あとのものは、みんなまだ学校へいっていません。だから、正ちゃんは、大将でした。大将が、下のものに頼まれて、できないということは、いえませんでした。
「ああ、とおしてあげる。」と、いって、正ちゃんは、材木の上に腰をかけながらヨシ子さんの持ってきた、糸と針を、自分の太くて、短い指に受け取りました。
「なんだ、まだ針に糸がとおしてないのか、はやく、これをとおしておくれよ。」と、いって正ちゃんは、糸と針を、ヨシ子さんに返したのです。