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へいぼん
平凡・私は懐疑派だ
二葉亭 四迷
Read 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) by 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 81,548 characters · 161 screens
お烟草盆のお芳ちゃんが真面目腐って、貴方、御飯をお上ンなさいなと云う。アイと私が返事をする。アイじゃ可笑いわ、ウンというンだわ、と教えられて、じゃ、ウンと言って、可笑くなって、不覚笑い出す。此方が勘ちゃんに頭を打られるより余程面白い。それに女の児はこましゃくれているから、子供でも人の家だと遠慮する。私一人威張っていられる。間違って喧嘩になっても、屹度敵手が泣く。然うすればお祖母さんが謝罪って呉れる。
女の児と遊ぶのは無難で面白いが、併しそう毎日も遊びに来て呉れない。すると、私は退屈するから、平地に波瀾を起して、拗て、じぶくッて、大泣に泣いて、而してお祖母さんに御機嫌を取って貰う。
七
……が、待てよ。何ぼ自然主義だと云って、斯う如何もダラダラと書いていた日には、三十九年の半生を語るに、三十九年掛るかも知れない。も少し省略ろう。
で、唐突ながら、祖母は病死した。
其時の事は今に覚えているが、平常の積で何心なく外から帰って見ると、母が妙な顔をして奥から出て来て、常になく小声で、お前は、まあ、何処へ行ッていたい? お祖母さんがお亡なンなすッたよ、という。