Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Read 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) by 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 81,548 characters · 161 screens

Aozora Bunko

と娘の面を視て、薄笑いしながら、「彼を買って頂いて上げるから……仕方がないから。」

「本当?」と雪江さんも急に莞爾々々となった。私は見ないでも雪江さんの挙動は一々分る。「本当? そんなら好いけど……ちょいとちょいと、其代り……」と小声になって、「ルビー入りよ。」

「不好ません不好ません! ルビー入りなんぞッて、其様な贅沢な事が阿父様に願えますか?」

「だってえ……尋常のじゃあ……」と甘たれた嬌態をする。

「そんならお止しなさいな。尋常ので厭なら、何も強いて買って上げようとは言わないから。」

「あら! ……」と忽ち機嫌を損ねて、「だから阿母さんは嫌いよ。直ああだもの。尋常のじゃ厭だって誰も言てやしなくってよ。」

「そんなら、其様な不足らしい事お言いでない。」

「へえへえ、恐れ入りました」、と莞爾して、「じゃ、尋常のでも好いから、屹度よ。ねえ、阿母さん、欺しちゃ厭よ。」

「誰がそんな……」

「まあ、好かった!」と又莞爾して一寸私の面を見た。

二十八

私は先刻から存在を認めていられないようだから、其隙に窃そり雪江さんの面を視ていたのだ。雪江さんは私よりも一つ二つ、それとも三つ位年下かも知れないが、お出額で、円い鼻で、二重顋で、色白で愛嬌が有ると謂えば謂うようなものの、声程に器量は美くなかった。