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げんだん
幻談・観画談 他三篇
幸田 露伴
Read 幻談・観画談 他三篇 (げんだん) by 幸田 露伴 (こうだろはん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 80,544 characters · 161 screens
※(「咤-宀」、第3水準1-14-85)吉尼天だ。人心を尽するものだ。心垢を※(「口+敢」、第3水準1-15-19)尽するものだ。政元はどういう修法をしたか、どういう境地にいたか、更に分らぬ。人はただその魔法を修したるを知るのみであった。
政元は行水を使った。あるべきはずの浴衣はなかった。小姓の波伯部は浴衣を取りに行った。月もない二十三日の夕風は颯と起った。右筆の戸倉二郎というものは突と跳り込んだ。波※(二の字点、1-2-22)伯部が帰って来た時、戸倉は血刀を揮って切付けた。身をかわして薄手だけで遁れた。
翌日は戦だった。波※(二の字点、1-2-22)伯部は戸倉を打って四十二歳で殺された主の仇を復したが、管領の細川家はそれからは両派が打ちつ打たれつして、滅茶苦茶になった。
政元は魔法を修していた長い間に何もしなかったのではない。ただ足利将軍の廃立をしたり、諸方の戦をしたりしていた。今は政元の伝を筆にしたのではない。
政元より後に飯綱の法を修した人には面白い人がある。それは政元よりも遥に立派な人である。
関白、内大臣、藤原氏の氏の長者、従一位、こういう人が飯綱の法を修したのである。