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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
島「ウーム、負けろ/\」
文「分ったか」
島「大隅明(おおすみあきら)へ……」
文「その大隅明と申すのは其許(そのもと)の名か」
と指さし致しますると、
島「えッ/\」
と親指を出しましたので、
文「さては此の島人の居(お)る島に大隅明という島司(しまつかさ)が居(お)ると見えるわい、其の人ならば必ず分るであろう、召使同様な此奴(こいつ)が分らぬのも無理はない我(われ)が舟に乗るのを拒んで手向いしたというのも、我が同類を殺しはせぬかと疑(うたぐ)っての事であろう、尤(もっと)も千万、併(しか)し我(われ)が強力(ごうりき)に恐れてか、温順(おとな)しくなったとは云うものゝ、油断はならぬわい」
と文治は不図(ふと)思い付きまして、提物(さげもの)を取出して島人に遣(つか)わしますると、島人は嬉しそうに繰返し/\見て居りまする。又文治が胴巻の中(うち)より金を取出し、一分銀一枚を与えますると、島人は然(さ)も嬉しそうに之を押戴(おしいたゞ)きました。掌(て)の上に乗せて、ためつすがめつ見る様は、始めて手にしたものとは思われませぬ。
文「こう喜ぶ