Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

おんりょうしゃくよう

怨霊借用

泉 鏡花

Read 怨霊借用 (おんりょうしゃくよう) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 18,803 characters · 38 screens

Aozora Bunko

」

「娘ッ子が読むんじゃあ、どうせ碌な小説じゃあるまいし、碌な娘ではないのだろう。」

「勿体ない。――香都良川には月がある、天城山には雪が降る、井菊の霞に花が咲く、と土地ではやしましたほどのお嬢さんでござりますよ。」

「按摩さん、按摩さん。」

と欣七郎が声を刻んだ。

「は、」

「きみも土地じゃ古顔だと云うが。じゃあ、その座敷へも呼ばれただろうし、療治もしただろうと思うが、どうだね。」

「は、それが、つい、おうわさばかり伺いまして、お療治はいたしません、と申すが、此屋様なり、そのお座敷は、手前同業の正斎と申す……河豚のようではござりますが、腹に一向の毒のない男が持分に承っておりましたので、この正斎が、右の小一の師匠なのでござりまして。」

「成程、しかし狭い土地だ。そんなに逗留をしているうちには、きみなんか、その娘ッ子なり、おかみさんを、途中で見掛けた――いや、これは失礼した、見えなかったね。」

「旦那、口幅っとうはござりますが、目で見ますより聞く方が確でござります。それに、それお通りだなどと、途中で皆がひそひそ遣ります処へ出会いますと、芬とな、何とも申されません匂が。